ブロンズ新社書店大賞授賞式に参加して

 1か月以上も前の話で恐縮ですが、5月、夫婦で上京して参りました。なんと「第12回ブロンズ新社書店大賞リスペクト賞」をいただけることになり、その授賞式に出席するためでした。グランプリではなくパッション部門リスペクト賞という賞でしたが、2人分もご招待いただき、喜び勇んで行って参りました。

 ブロンズ新社は児童書専門の出版社ですが、社名はご存じなくても、『だるまさん』シリーズ(かがくいひろし作・絵)といえば、絵本を読まれる方でしたら誰でもお分かりかと思います。他にも、鈴木のりたけさんの『しごとば』シリーズ、ヨシタケシンスケさんの『りんごかもしれない』に始まる一連の絵本などは大変多くのファンの方があり、こうした力ある作家さんたちを世に送り出してきた出版社でもあるわけです。

 そのブロンズ新社がこんな弱小書店にも気をかけていただけるというのはとても嬉しいことです。売上で見たら大型書店にはかなわないわけですが、その「パッション」に共感していただけてるのかも知れません。

 授賞式は夕方から、そしてその後、祝賀パーティーです。受賞された全国の書店さんや、ブロンズ新社のスタッフさんも大勢来られているし、なんと、今をときめく絵本作家さんもずらりご出席ということで、皆さんにお会いしてお話するのを楽しみにしていました。

 昨年秋に八王子であった全国の書店の集まりでもお会いした五味太郎さん。まだまだバリバリお元気で、おしゃれで、一段とオーラを放っておられました。

 tupera tuperaのお二人は、昨年秋にリリースした僕のCDアルバム「笑おう!」に二つの絵本を収録させていただいたりでお世話になってますが、奥様の中川敦子さんとは初対面。想像どおりの素敵な方でした。

 今や絵本作家としてベテラン領域に達していると思われるマルチタレント中川ひろたかさん。中川さんとはバンド「トラや帽子店」のころからの30年近いお付き合いなのですが、お会いするのは久々でした。

 『しごとば』の他、最近では『大ピンチずかん』(小学館)が大ヒットの鈴木のりたけさんも久々の再会。テレビでも時どきお見かけするヨシタケシンスケさんには初めてお会いしました。『ちくわのわーさん』などのコテコテの大阪弁絵本を描かれている岡田よしたかさんは、一体どんな人なのか気になってましたが、あの絵の通りのホンワカとした方でした。『たまごのはなし』などでファンが増えつつある、しおたにまみこさんにお会いできたのも嬉しかったです。他にも、ゆっくりとお話しできなかったのですが、100%ORANGEのお二人、あだちなみさん、おーなり由子さん、高山なおみさん、長野陽一さんなどにもお会いできました。

 今回、次の日もプログラムが組まれていて、午前中は大村製本さんの工場見学。今まで出版社を訪問することはあっても、印刷所や製本所に行ったことはほとんどありません。今、日本でもしかけ絵本がさまざまありますが、製本技術の進化でこうした絵本を作ることができるんですね。新しくブロンズ新社から出た『どんどんめくり』(やぎたみこ作)という絵本の製本工程を見ることもできましたが、特殊な機械にお二人の職人さんがついて、大変苦労されていました。その後、ブロンズ新社の事務所も見学し、手の込んだお弁当までいただいて、何かとためになる一日でした。

 とまあ有意義な二日間で、こんな機会を作っていただいたブロンズ新社さんに改めて感謝申し上げます。

おおきな木 杉山三四郎