カラスノエンドウだって食べられるけど…

 何を隠そう、私は山菜マニアなのであります。普段行き来している近所の街路樹の根方にノビルがたくさん生えているので、そろそろ食べ頃ではないかな、とか心の中で思いながら、さてどうやって採ったものかと思案している今日この頃です。

 4月初めの頃の話ですが、家の庭にカラスノエンドウが大繁殖し、昨年まで一面を覆っていたミントやヨモギなどが見当たらなくなっていました。そこで、困ったものだと、大量のカラスノエンドウを引っこ抜くことに。でも、このカラスノエンドウがあまりにも美味しそうなので、ちょっと食べてみることにしました。カラスノエンドウが食べられることをご存じない方が結構ありますが、おおきな木野外塾(塾長 杉山三四郎)では、これをピザのトッピングや豚汁の薬味や天ぷらなどにして毎年食べています。でも、その草本来の味を知るにはおひたしにするのが一番なので、塩ひとつまみを入れてさっと茹でて食べてみました。特に癖もないので今ひとつパンチがありませんが、鰹節などをまぶして食べれば十分美味しくいただけます。カラスノエンドウは葉っぱだけでなく、花や実も食べられますが、成長してくると茎の部分が硬くなってくるので、この部分はおすすめできません。

 さて、先日、野外塾では「春のデイキャンプ」を岐阜市内の某所で行いました。参加者総勢150名の大部隊になりましたが、野外塾のモットーである放し飼いの精神は失うことなく、秘密基地ではみんなそれぞれ勝手気ままなことをして遊びました。その秘密基地のそばにも美味しい草が生えているところがあるのですが、それを採りに行く「三ちゃんコース」についてきた親子たちが数十名。セリやミツバがいっぱいあって、みんなの目が輝きました。でも、気をつけなくてはいけないことがあります。セリやミツバに混じって有毒なキツネノボタンなどが生えているからです。僕が見ればすぐに見分けはつきますが、初心者であるみんなにはどれも同じように見えるらしいんですね。なので、子どもたちから「三ちゃん、これ食べれる?」の猛攻撃を浴びることになりました。

 他にもいろんな山野草がありました。おなじみのヨモギやツクシのほか、ヨメナ、ユキノシタなど。そして、毎年子どもたちに大人気なのがタンポポの花。天ぷらにするとほのかな苦みと甘みがあり、油に放り込むと花がパッと開いて、見た目にもきれいです。

 でも、山菜マニアとして狙うのはコシアブラ。最近、あまりにも有名になってしまったので、採取者も増え、なかなかいいサイズのものに出会えません。でも、そこそこ採ることができて、大人を中心に天ぷらでいただきました。野外塾では、これによく似たタカノツメも天ぷらにしますが、コシアブラに比べると癖がないので、やはりパンチに欠けます。でも、子どもたちは天ぷらにすれば何でも食べちゃいますけどね。

 平野部の桜はもうすでに散ってしまいましたが、雪深い山間部では4月下旬から5月連休ころにかけてが見頃。山菜マニアとしては心落ち着かない日々を過ごすことになります。雪国にはこの辺りではあまり見られない美味しい山菜がたくさんありますからね。コゴミ(クサソテツ)、タラの芽、ウルイ、ワサビ、ウド、などなど。そして、もう少し後にはネマガリダケがどんどん新芽(竹の子)を出してくるので、竹の子汁や焼き竹の子にしていただくのが毎年の楽しみです。

おおきな木 杉山三四郎