「自然の中で思いっきり遊びたい」、そんな思いで始まったおおきな木野外塾。2024年4月から第31期を迎えます。
この間、毎年100人ほどの子どもたちが会員となり、岐阜市周辺の野山などを舞台にさまざまなあそびをくりひろげてきました。木登りやターザンごっこをしたり、昆虫採集をしたり魚やカニを捕まえたり、草花あそびをしたり、野草を料理して食べたり、たき火でパンを焼いたり、つるでリースやかごを作ったりと、子どもたちの楽しみ方は十人十色。時には、サバイバル体験、ダイビング、磯遊び、雪遊びなどをしに遠くまで足をのばしたりもします。また、プログラムによって、その道の達人やリーダーのお兄さんやお姉さんも加わります。もちろん親子での参加も大歓迎です。
2024年度の会員募集は終了いたしました。
※2024年度のおもな活動予定に変更があります。
おっぱらサマーキャンプ 8月14日〜16日に変更いたしました。
●活動日
・日帰りの通常プログラム(原則として日祝日)
※通常は岐阜市内およびその近郊で行います
・キャンプなどの特別プログラム(年数回)
●対象年齢
年長児以上、中学生まで
※高校生以上は、Yフレンドとして登録して各行事に参加することができます。詳しくはYフレンド制度の資料をご請求ください。
●初回納入金……入会時にお支払いください
入会金 3,300円(兄弟2人目からは不要)
年会費 19,800円
●年会費の割引制度
次に該当する会員は、年会費13,200円
1. 一世帯3人以上の会員は3人目から
2. 過去の在籍5年以上の会員は6年目から
●各行事への参加費……参加申込時にお支払いください
日帰りの通常プログラム
会員 一人4,000円 会員父母、祖父母、年長児未満の兄弟 一人2,000円
キャンプなどの特別プログラム
各プログラムごと別途参加費を設定します。
おおきな木では、昨年の春から店内でのマスク着用を求める表示をなくしました。「マスクはご自由に。なしでもかまいません」と入り口に表示してあります。スタッフも必要なとき以外は外すようにしました。でも、ノーマスクで入店される方はほとんどいません。まだまだ感染者はそんなに減らないし、同調圧力の強いお国柄なので、お客様の反応が気にならない訳ではないのですが、「マスクをしてない人を見るとホッとするわ」と言われたり、今日初めてご来店された親子連れの方などは、僕がマスクをしていないのを見て、「お店の人がマスクをしてないなんて、素敵なお店ですね」などと言われてしまいました。もちろんその親子もノーマスク。素敵です。でも、それが普通なんですけどね。
29年続けてきた「おおきな木野外塾」ですが、こちらも今年度からマスク着用を求めることをやめました。基本が屋外での活動なので、「屋外ではマスクを外すようにしましょう」という政府広報に従っているとも言えます。それに、今のオミクロン株は感染力は強いかも知れませんが、感染しても無症状か軽症で、とくに子どもの場合は重症化することはほとんどありません。
おおきな木には、「野力Tシャツ」というオリジナル商品がありますが、子どもは「野力(のぢから)」で育つのだ、という思いで作った造語です。野生の力、英語で言えば “Wild Power” でしょうか? 自然の中で暮らしたり、遊んだりすることから得られる力で、子どもだけでなく大人にとっても大事な力です。
野外塾で年間を通じて何度も行なっているプログラムがデイキャンプ。岐阜市内の秘密基地と呼んでいる場所で一日を過ごします。四季折々で、食べられる野草や木の実などを摘んでたき火で料理したり、昆虫や水の生き物採集をしたり、ロープコースを作って遊んだりといろいろ。いろいろ用意はしていくのですが、野外塾は「放し飼い」が基本なので、子どもたちはそれぞれ気の合う子たちとつるんで勝手に遊んでいます。鬼ごっこや木登りをしてる子もいれば、木の枝や葉っぱを集めてすみかを作ったり、落とし穴を掘ったり、刀や弓矢を作って戦っている子もいたり。中には一日中たき火のまわりに居座っている子もいます。最近の子は外で遊ばなくなったと嘆いている大人の方もありますが、決してそんなことはありません。子どもたちを自然のフィールドに連れて行って、自由に遊べる時間を作ってやればいいのです。あとは「野力(のぢから)」に任せましょう。
コロナ禍において、子どもたちはマスク着用を強要されたり、大声で歌ったり喋ったりできないなど、いろいろと行動制限をさせられてきました。しかし、病気にかからないようにするために必要なのは、マスクをつけたりワクチンを打ったりすることではありません。何より大事なのは自己免疫力をつけることです。そのためには、屋外で紫外線を浴びて遊ぶことが一番です。そして、マスクを外して五感で自然の音や匂いを感じましょう。子どもは群れで育って行きますが、気の合う仲間たちとじゃれ合って遊んだり、大声を出したり、歌ったりすることも免疫力アップにつながります。
マスクやワクチンでコロナ禍を終息させることはできませんでした。それどころか、マスクやワクチンやアルコール消毒が自然免疫力を下げているという指摘も数多くあります。感染症対策もこの春には緩和されるでしょうし、いつまでも同調圧力に負けていないで、「マスクを捨てて、野に出よう!」ではありませんか。
おおきな木 杉山三四郎
おおきな木では、自分の趣味(?)も兼ねて、野外塾という活動を続けてきました。当店の開店と同時に始めたので、4月から第29期を迎えることになりました。僕の思いはただひとつ。「子どもを自然の中で思いっきり遊ばせたい」、これだけです。
毎月、四季折々のいろんなプログラムを用意していますが、1月には、岐阜市の最高峰 百々ヶ峰(どどがみね/標高418m)の麓に広がるながら川ふれあいの森のキャンプ場を拠点に「冬のデイキャンプ」を開催しました。寒くなると参加者も少し減りますが、それでも総勢40人弱の親子が集まりました。寒いのでたき火をガンガン燃やします。薪は全部現地調達。多少濡れていようが、頭と体を使えば燃えます。このたき火で料理もします。たき火で焼きたい食材をみんなそれぞれが持ち寄ってくることになっているので、「持ち寄りたき火料理」と言っていますが、ソーセージ、ピザ、焼きイモ、焼き鳥、おもち、焼きおにぎり、干物、ラーメン、カレーライス、ポップコーン、チーズフォンデュ…、みんなが何を持ってくるのかいつも楽しみです。
虫好きの子たちは冬でも虫さがしに夢中になります。朽木を崩したり、腐葉土を掘ったりして、冬ごもりをしているいも虫(幼虫)や成虫を探ります。宝さがしをしているみたいなもんで、大人もハマります。この日も、一番のおめあてのクワガタの幼虫や成虫越冬をしているコクワガタも発見されました。その他の甲虫類も出てくれば、ハチやムカデなんかも出てきます。
野外塾では毎回いろんなネタを用意はして行きますが、大人も子どももどんな風に時間を使おうが基本自由です。学校の行事のような時間割もなければ、「めあて」もありません。必要なのは3つの「間」だけです。自由に過ごせる「時間」、楽しく過ごせる「空間」、そしていっしょに過ごせる「仲間」ですね。
コロナ禍においても野外塾はできるかぎり休まず続けてきましたが、こんなときこそ子どもたちに必要なのは、体力や免疫力をつけることだと僕は考えています。学校ではマスクやら消毒やらを強要されていますが、雑菌を遠ざけるようなことばかりやっていては免疫力はついていきません。まず、天気の良い日には紫外線を浴びて外で遊ぶことです。でこぼこ道を歩いたり、木登りをしたり、海や川で泳いだり、泥んこの中で遊んだりして体力をつけていくのが子どもです。
また、歌ったりしゃべったり、泣いたり笑ったりすることも大事です。思いっきり呼吸をして喜怒哀楽を表現することも元気の元ですからね。今、みんなマスクという環境で、言語の発達が遅れている乳幼児が増えているという研究報告をされている方がありましたが、これは十分にあり得ることだと思います。言語は音声だけでなく、体全体でコミュニケーションをすることで獲得していくわけですから、唇の動きや顔の表情はとくに大事な要素です。そんな乳幼児にマスクをつけさせろと発言した大臣がいましたが、とんでもない話です。
野外塾では、「自然の中で遊ぶこと、それが子どもたちの体力と生きる力を育てるのだ」という思いで、「野力(のぢから)」という造語を使っていますが、子どもたちに必要なのはワクチンよりも「野力」なんじゃないでしょうか。先日の「冬のデイキャンプ」では雪がうっすらと積もっていて、子どもたちは、僕が用意した遊びネタよりも雪合戦やそり遊びに夢中。そんな彼らを見ていて、つくづくその思いを強くしました。
おおきな木 杉山三四郎
今年は岐阜市内でも新年早々雪が積もりました。関市内の保育園で絵本ライブを終えると、パラパラと雪が舞ってきて、子どもたちは大喜びで園庭に飛び出していきました。子どもって雪が大好きですよね。僕も、子どもの頃は、朝起きて雪が積もっていると心が踊ってましたからね。子どもの特権です。
雨でもそうです。水たまりができると、大人は避けて歩くのに、子どもはわざわざバシャバシャと入って遊びますからね。野外塾でもそうです。テントの屋根に溜まった雨水を浴びてはしゃいだり、泥んこの中にわざわざ足を突っ込んだりして遊んでますからね。時には、泥んこの山の斜面をお尻で滑って遊んでいたこともありました。アンビリーバブルです。
でも、こういったことは一人っきりでもやるんでしょうか。やる子もいるかも知れませんが、たぶんみんなでやるからエスカレートしていって楽しくなるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
おおきな木では、自然の中で思いっきり遊びたいという思いで、27年にわたって野外塾を続けてきました。昨年は、新型コロナの影響で春の活動が中止になったりしましたが、その後は毎月のプログラムをほぼ予定通り続けてきました。ウイルス感染の心配がないわけではありませんが、自然の中で遊んでいる限り、三密は避けられるわけで、子どもたちは弾けてます。
長年続けてきていつも思うことは、「子どもって群れで育つんだなあ」ということです。野外塾は、何をしてても基本は自由ですから、野に放たれた子どもたちは、一日山の中の秘密基地でみんな好きなことをして過ごしています。落とし穴を掘り始める子、ロープコースやブランコで遊ぶ子、ひたすら何かを拾っている子、汗びっしょりで鬼ごっこをしてる子、水で遊ぶ子、生き物に夢中の子、隠れ家を作る子、たき火のそばから離れない子、みんないろいろ。自然の中には子どもたちの興味をそそるものがたくさんあるんです。
野外塾では上下関係は全くないので、お互いの学年など気にしてないみたいで、ただ自分の興味で動いていた時にそばにいた子と自然に繋がりができます。お互いを〇〇さんと苗字で呼び合っているところはあまり見たことがなく、たいてい下の名前で呼び捨てで遊んでいます。ずっと年上の子に対しても呼び捨てですが、憧れの友だちでもあります。そして、年上の子たちは小さい子たちの面倒もよく見てくれて、遊ぶ時には年下の子もちゃんと誘ってくれたりします。いろんな生き物や食べられる植物に出会ってどうしたらいいのか分からなくても、お互い教えあったりしてるんですね。僕も今までの人生の中で学んできたことを、子どもたちにおもしろく伝えることはしてますが、子ども同士で学んでいくことも多いのではないかと思います。
そして、子どもだけでなく、大人同士もいい関係ができているように思います。近年はお父さんの参加も多くなりました。父親の子育て参加が増えて、お父さん同士も話が合うんでしょうね。子どもたちといっしょになって遊んでくれるお父さんやお母さんもいて、自分の子だけでなく、よその子も巻き込んでもらえるのはとてもありがたいことです。多くても月に一度会う仲間たちですが、なんか大家族のような気がします。
野外塾では、いつの頃からか、僕は「三ちゃん」と呼ばれていますが、共に参加している妻共々、友だちだったり、家族の一員と思っていただければ本望です。
おおきな木 杉山三四郎